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(2)システムプロトフライト試験(PFT)
PTFは、宇宙開発事業団筑波宇宙センターにおいて平成8年1月に開始した。アライメント調整、初期電気性能試験、質量特性試験ののち機械環境試験として振動試験、音響試験、分離衝撃試験を行い、機械環境試験後の電気性能試験を行った。その後9月末から熱真空試験を行い、現在試験後の改修中で最終電気性能試験が終了する来年3月末に種子島宇宙センターの射場へ搬入し、種々の射場作業を行い8月にH一?ロケット5号機による打上げを予定している。
3.2.2.7打上げ後の運用段階
(1)打上げ/軌道投入
打上げは16時から18時(日本時間)ころ行われる予定で、衛星は打上げ後約30分でロケットから切り離され、衛星の自律機能により太陽捕捉、太陽電池パドルの展開が自動的に行われる。
その後、アポジエンジン噴射による軌道修正が2回実施され、衛星はドリフト軌道に投入される。
ドリフト軌道において3つのアンテナを展開し、三軸執政制御モードに移行した後、衛星を東経121度の静止位置に保持する静止化軌道制御を行う。静止軌道への投入は、ドリフト軌道投入後1ヶ月を予定している。
(2)初期機能確認段階
衛星各サブシステムの機能・性能を確認するための試験を実施するフェーズで、バス機器の機能確認はドリフト軌道投入とともに開始され、約2ヶ月半で確認試験を終了させる予定である。
(3)定常運用段階
初期機能確認試験の終了後、実験計画に従って実験運用が行われる。衛星の設計寿命は3年であるが、最終的な衛星システム重量が確定した時点において、ロケット打上げ能力の範囲内で推進剤の追加搭載を行う。

 

3.2.3インマルサット情報
3.2.3.1インマルサット第3世代衛星の状況
インマルサット第3世代衛星の状況は、1号衛星(F1)をインド洋海域(IOR)、2号衛星(F2)を大西洋東海域(AORE)および3号衛星(F3)を太平洋海域(POR)に打上げを完了し、運用を開始した。今後、4号衛星(F4)および5号衛星(F5)の打上げを表3.2.3−1のとおり予定している。4海域へのインマルサット第3世代衛星の打上げが全て成功した場合、5号衛星(F5)は予備衛星として軌道上に配置され、現用衛星が障害となった際にバックアップとして使用される。

 

 

 

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